[お仕事] 『ゲームシナリオのためのSF事典』(ソフトバンククリエイティブ)

 まず最初に、質問させていただきます。SF って、何でしょう?
 僕の考えでは、この設問について全ての人間を納得させうる回答は存在しません。
サイエンス・フィクション」そのものが、「空想(フィクション)・科学(サイエン
ス)」「科学(サイエンス)・小説(フィクション)」という二重の意味をもちます。
 では、共通項「科学」に着目すれば良いかというと、決してそうではありません。
−−『ゲームシナリオのためのSF事典』まえがきより抜粋

 ソフトバンククリエイティブでの久々のお仕事は、『ゲームシナリオのためのSF事典』です。山北篤さんの『ゲームシナリオのためのファンタジー事典』に続くシリーズ2冊目ということになりますね。
 このシリーズは、コンシューマゲームシナリオライター志望者のための手引書です。「事典」というよりも「アンチョコ集」に近いですね。
 ガチなSF作品というよりも、SFに余り親しんでいない人間が「SFテイスト」の作品を手がけるにあたって抑えておいた方が良い、あるいは知っていると便利な事項、発想法を110項目に凝縮したもの。各事項について、関係の深いSF作品を挙げてもおりますので、この本を逆引きブックガイドとしてSF小説/映画などに進んでいただくことも可能です。

ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110 (NEXT CREATOR)

ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110 (NEXT CREATOR)

 構成は全6章。順番は以下の通りです。


 第2章に巨大構造物(メガストラクチャー)を持ってきているのは、ここのところ「SFジャンル」について森瀬が抱いている考えを反映したものです。

ガンダム』がスペースコロニー、『パトレイバー』がウォーターフロントといったように、目に見えるものとしての巨大かつ現実に手が届きそうなメガストラクチャーは、「成功するSFロボット物」の大きなファクターなのではないかと思っている。思っているだけで、分析まではしていない。
7:21 PM Nov 28th, 2010


 Twitter上で以前このようにTweetしたのを御覧になった方もいるかと思いますが、SFという「異世界」を読者/視聴者に掌握させるにあたって、いつも視界のどこかに映りこむ巨大構造物というのは非常に有用なのです。例えばこれは、ルーク・スカイウォーカーの故郷である惑星タトウィーンに浮かぶ二つの太陽についても同じことが言えますね。
 故に、敢えて第2章に配置することにしました。でっかい建物重要。超重要。
 新紀元社の図解シリーズ同様、「110項目」という制約の中でどうしてもページ数の不足、文字数の不足でとりこぼしが出てきてしまっておりますが、これからプロを目指す「志望者」の導入としては十分に有用な内容になっていると思います。
 森瀬個人の本音としてはもちろん、実際にSFテイストの作品を作ろうというのであれば、とりあえずハヤカワの青背を全部うわなにをするやめ


注:森瀬はハヤカワの青背を全部読んでいたりはしません。今は、S-Fマガジンを創刊号から順番に読んでいくので精一杯。