モンキー・パンチのシャーロック・ホームズ

 先日に引き続き、『シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ』の落ち穂を拾いを続けてみる。

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

『イレギュラーズ』の制作時、シャーロック・ホームズを題材にしたクイズ本はカタログから落としたのだけれど、「この本だけは紹介しておいても良かったかなー」と後から思ったのが学研ジュニアチャンピオンコースの『推理クイズ 名探偵登場』だ。
 著者は、『イレギュラーズ』でインタビューさせていただいた「ホック氏」シリーズの加納一朗氏。当時の写真も掲載されているのだけれど……お若い!(そりゃそうだ)
 何故にこの本だけ? それは、巻頭にモンキー・パンチによる16ページのコミック「ホームズ対ルパン ダイヤのビーナス」が収録されているからだ。日本の国立美術館に所蔵されている国宝「ダイヤのビーナス」(何で日本の国宝がこれやねん!)を狙ったルパンから予告状が届けられる。警察の厳戒警備の中を、アルセーヌ・リュパンというよりもいかにもルパン三世的な手法で宝を掠め取ったルパンだったが、彼を追ってきたシャーロック・ホームズがその目に立ちはだかり−−といった物語。 (「ルパン」ではなく「リュパン」と書くのは森瀬のこだわりなので、表記の不統一については御寛恕いただきたい)



 この作品中、ルパンは何故かナイス・ミドルの怪紳士で、ホームズの方が二枚目の若造風に描かれている。この時期、モンキー・パンチ氏はドイルもルブランもマトモに読んでいなかったのではないか? と、いった疑いがこのあたりから生まれるわけだけれど、それはまあ余談。
−−まあ、山中ホームズに南ルパン読んでいてもなあ。

犯罪者ホームズ!?

 続いて、摩夜峰央の『パタリロ!』から。花とゆめCOMICS版の単行本57巻に収録されている第246話「名探偵の犯罪」が該当エピソードで、シャーロック=ミサワ=ホームズという名探偵が登場する。兄貴はマイクロフト=サンワ=ホームズとでもいうのだろうか。(他にもミス=メープル、エラリー=ハーレ=クイーン、エルキュール=ポワロー=アンドナルスジャック(マニアだ!)などが登場)
 数々の難事件を解決したことで、全世界名探偵友の会への入会を認められたパタリロことパタリロ=ド=マリネール8世が、ミス=メープルの自宅で開催された親睦会に招待される。例によって、そこで殺人事件が起こるのだが、何故かホームズ、クイーン、ポワローたちが次々と「自分こそが犯人」と名乗り出て−−というお話。



 咥えパイプのスカしたホームズはいかにもなのだけど、何故か消音器つきの銃を持っているというあたり、どこぞのスパイが混ざっている気がしなくもない。

パタリロ! (第57巻) (花とゆめCOMICS (1435))

パタリロ! (第57巻) (花とゆめCOMICS (1435))

 それはさておき、ミサワホームズってちゃんとあるのね。