『未知なるカダスを夢に求めて』修正

 表題作の巻末解説中、文字数圧縮の過程で、文意が完全に変わってしまった箇所が見つかりました。

P465
ノーデンスと「ノドの地 Land of Nod」の関連性に言及していて、オカルティズム関連の文献などでノーデンスが夢の神とされる典拠となっているのだ。

ノーデンスが眠りの神だったことを示唆していて、オカルティズム関連の文献などでノーデンスが「ノドの地 Land of Nod」、即ち夢の世界の神とされる典拠となっているのだ。

 

『『ネクロノミコン』の物語』修正について

『『ネクロノミコン』の物語』(星海社)につきまして、現時点で以下の誤訳と要修正箇所が発覚しておりますので、そろそろご報告しております。(増刷時対応予定)

 

P172

豚の頭よりも大きな丸い足跡でね

【大樽:ホグズヘッド】よりもでっかい丸い足跡でね

 

P270下段
併録した初期稿からも明らかなように、実はHPLではなくウィリアム・ラムレイが創造した地名。ブライアン・ラムレイの『タイタス・クロウの帰還』によれば、後にタイタス・クロウ、アンリ・ローラン・ド・マリニーの所有物となる掛け時計の出所がイアン=ホーである。

一九三二年~三三年の「銀の鍵の門を抜けて」が初出。同作によれば、後にブライアン・ラムレイの『タイタス・クロウの帰還』においてタイタス・クロウ、アンリ・ローラン・ド・マリニーの所有物となる掛け時計の出所がイアン=ホーとされる。

 

 イアン=ホーの初出については、「銀の鍵の門を抜けて」の執筆時期を誤認していたことによる、長年残留していたケアレスミスです。「銀の鍵の門を抜けて」の翻訳中に、今更ながら気づいた次第。お恥ずかしい。

 

 

『All Over クトゥルー −クトゥルー神話作品大全−』正誤表

 書泉ブックタワー様にて本日先行販売の始まる『All Over クトゥルークトゥルー神話作品大全−』のカタログパートにおいて、現時点で以下の誤りが見つかっております。
 ご購入いただきました読者の皆様に、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

All Over クトゥルー -クトゥルー神話作品大全-

All Over クトゥルー -クトゥルー神話作品大全-

付記・魔術の神コズザール

 ダニエル・ハームズは、"ENCYCLOPEDIA CTHULHIANA"の「Nodens」の項目において、おそらくは彼の独自設定として、リドニーのノーデンス神殿と結びつける形で「アトランティス人は魔術の神、Chozzar の名のもとに彼(=ノーデンス)を崇拝した」と提示しています。Chozzarというのは英語読み的には「チョザール」になりそうですが、後述の「別名」から、このエントリでは「コズザール」としておきます。
 このChozzarの出典を辿る内に、ヘレナ・P・ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』に行きつきました。『シークレット・ドクトリン』によれば、コズザールというのはペラテ派グノーシス主義におけるネプチューンの別名で、アトランティスの魔術師たちから崇拝されたということです。
 更に調べを進めていくと、近代西洋魔術師であると同時に熱心なラヴクラフティアンでもあったケネス・グラントの"Outside the Circles of Time"(何気にラヴクラフト神話への言及が数多くある著作)に、興味深い記述があります。

"Chozzar: The God of Atlantean Magic. Choronzon, is a variant form of this name(アトランティスにおける魔術の神。この名前の変形として、コロンゾンがある)"


 ハームズは『エンサイクロペディア』の参考文献としてグラントの"Nightside of Eden"を挙げていますので、彼の直接的なネタ元はグラントの記述なのだと思われます。
 それにしても、深淵の天使コロンゾン! まさかここで、ノーデンスとコロンゾンが結びついてしまうとは。
 コロンゾンというのは、1909年12月6日、魔術師アレイスター・クロウリー(グラントの旧師でもあります)とその弟子ヴィクター・ノイバーグがサハラ砂漠で呼び出したという高次の霊的存在、「深淵」を満たす狂乱と矛盾の力が顕現したものです。(その種の本ではもっぱら「悪魔」扱いをされていますが、エノク魔術の性質上、「天使」と呼ぶのが妥当かと)
 このあたり、もう少し掘り下げて、『クトゥルー神話解体全書』(某社にて企画のみ存在)あたりで御紹介できるといいですね。

マーブルヘッドのネプチューン

 以前書いたエントリへの追記。
 ノーデンスが登場する「霧の高みの不思議な家」の舞台は、ラヴクラフトが創造した架空の港町であるキングスポート。では何故、キングスポートがノーデンス顕現の場所とされたのか−−それについては、ひとつの私説があります。
 キングスポートのモデルとなったマサチューセッツ州のマーブルヘッドには、「リー・マンション」というハウスミュージアムがあります(セイラムのピーバディ=エセックス博物館の管理下)。筆者は、この施設を2008年の夏に訪れているのですが、階段をあがった先の2階の壁(ないしは隣接する部屋の壁)に、三叉の鉾を持ったネプチューンの絵が飾られているのです。

 残念ながら建物内は撮影禁止だったので、こちらは帰国後にボストンのお土産物屋から通販で取り寄せたお皿(件のリー・マンションの絵をモチーフとしたもの)の写真となります。訪問時、ガイドの方からお聞きした話では、リー・マンションがハウスミュージアムとして公開されたのは、ラヴクラフトニューイングランド地方各地を頻繁に旅行していた時期の少し前。彼が1920年代に幾度かマーブルヘッドを訪れた時、この建物を見学した可能性は非常に高い。何故なら、「インスマスを覆う影」にニューベリーポートの歴史協会についての描写があるように、ラヴクラフトのように地元の歴史に興味を抱く旅行者は、町毎に存在し、たいていハウスミュージアムを兼ねている歴史協会を訪ねるのが常でした。そして、リー・マンションは、マーブルヘッドの歴史協会から目と鼻の先にあるのです。
 そしておそらく、リドニー神殿のプレートのことを知っていたラヴクラフトは、そのネプチューンの姿から、海神たちを従えたノーデンスのことを思い浮かべたのだろう−−今のところ仮説以上のものではありませんが、リー・マンションの古い訪問者リスト(森瀬も記名してきました)の中から、彼のサインを見つけることができれば……。

『ファンタジー資料集成 幻獣&武装事典』正誤表

 三才ブックス様の『ゲームラボ』誌に長年連載して参りました「幻獣&武装図鑑」の単行本版が本日、刊行されました。十代のバイブルであった『RPG幻想事典』(日本ソフトバンク)、『モンスター・コレクション−−ファンタジーRPGの世界』(富士見書房)、そして『ウィザードリィ モンスターズマニュアル』(MIA)を念頭に置いた、ゲームカルチャー視点での「剣と魔法のファンタジー」の解説書となります。
 お陰様で、山のような仕事を抱えて日々あっぷあっぷしております中、新規に26項目を書きおろすなど(外注ライターさんの御協力をいただきつつ)、どうにか刊行まで持っていくことができました。
 

 誠に申し訳ないことに、現時点で既にいくつか誤記を見つけてしまっております。
 正誤表をこちらのエントリにて公開致しますので、御参考に供していただければ幸いです。
 ご購入いただきました読者の皆様に、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

  • P016 左段下から8行目 誤)『帰ってきたウルトラマン』 正)『ウルトラマン
  • P022 左段上から5行目 誤)奈良県 正)滋賀県
  • P026 右段下から5行目 誤)20世紀ドイツ 正)19世紀ドイツ
  • P034 左段上から7行目 誤)夜眼 正)暗視
  • P048 右段上から5行目 誤)『創造の書』(後述) 正)『形成の書』
  • P070 右段下から2行目 誤)アスオルフォ 正)アストルフォ
  • P071 左段10行目

誤)なお、聖徳太子蘇我馬子が著したと称する平安時代偽書先代旧事本紀』には、素戔嗚尊の体内の猛気が吐き出されて天狗神になったという俗信が載っている。
正)江戸時代の偽書先代旧事本紀大成経』に、素戔嗚尊の体内の猛気が吐き出されて天狗神になったとあるが、もとになった平安時代偽書先代旧事本紀』には該当記述がない。

  • P108 右段上から13行目 誤)アシュタルテセト 正)アシュタルテをセト
  • P113 PICKUP 角川書店の間違いで、書影もミスです
  • P114 右段上から14行目 誤)空を 正)海を
  • P130 右段下から6行目 誤)アイラーヴァラ 正)アイラーヴァタ
  • P162 右段下から9行目 誤)『アスプラモンテ』 正)『アスプロモンテ』

SBクリエイティブ刊行物修正事項

 SBクリエイティブ刊行の『いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典』『ゲームシナリオのための戦国事典』につきまして、重大な修正事項を版元サイトにて公開していただきました。

http://www.sbcr.jp/support/12886.html
http://www.sbcr.jp/support/12887.html