モンキー・パンチのシャーロック・ホームズ

 先日に引き続き、『シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ』の落ち穂を拾いを続けてみる。

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

『イレギュラーズ』の制作時、シャーロック・ホームズを題材にしたクイズ本はカタログから落としたのだけれど、「この本だけは紹介しておいても良かったかなー」と後から思ったのが学研ジュニアチャンピオンコースの『推理クイズ 名探偵登場』だ。
 著者は、『イレギュラーズ』でインタビューさせていただいた「ホック氏」シリーズの加納一朗氏。当時の写真も掲載されているのだけれど……お若い!(そりゃそうだ)
 何故にこの本だけ? それは、巻頭にモンキー・パンチによる16ページのコミック「ホームズ対ルパン ダイヤのビーナス」が収録されているからだ。日本の国立美術館に所蔵されている国宝「ダイヤのビーナス」(何で日本の国宝がこれやねん!)を狙ったルパンから予告状が届けられる。警察の厳戒警備の中を、アルセーヌ・リュパンというよりもいかにもルパン三世的な手法で宝を掠め取ったルパンだったが、彼を追ってきたシャーロック・ホームズがその目に立ちはだかり−−といった物語。 (「ルパン」ではなく「リュパン」と書くのは森瀬のこだわりなので、表記の不統一については御寛恕いただきたい)



 この作品中、ルパンは何故かナイス・ミドルの怪紳士で、ホームズの方が二枚目の若造風に描かれている。この時期、モンキー・パンチ氏はドイルもルブランもマトモに読んでいなかったのではないか? と、いった疑いがこのあたりから生まれるわけだけれど、それはまあ余談。
−−まあ、山中ホームズに南ルパン読んでいてもなあ。