2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

もしも、邪神と大魔術師がガチで戦ったら

こうなる、という良い見本。 マーベルの"Strange Tales"(第二期)の#14(1988年)にて、直前に戦った敵の力を吸収してスーパーサイヤ人じみた外見変化を起こしたドクター・ストレンジと、地球の命運を賭けて凄絶なバトルを繰り広げるシュマ=ゴラス。 その…

H・P・ラヴクラフトの元ネタ探し

Twitterでの過去の発言などを再利用しつつ、本日も更新してみます。「霧の高みの不思議な家」「未知なるカダスを夢に求めて」などのラヴクラフト作品に、その威厳に満ちた姿を現している〈大いなる深淵の王〉ノーデンス。 古代イギリスで崇拝された癒しの神−…

「関連作品・書籍を読む優先順位」についてのスタンス

クトゥルー神話の解説書・研究書を読む以前に、まずH・P・ラヴクラフトの作品(東京創元社『ラヴクラフト全集』など)を全部読むところから始めるべきでは、とのご意見を見かけました。 このあたりについての森瀬のスタンスは、以前、はてな日記に書いていま…

『グラーキの黙示録』の最新設定

ラムジー・キャンベルの〈最新作〉、"The Last Revelation of Gla'aki(グラーキ最後の黙示録)"をようやく入手しました。The Last Revelation of Gla'aki作者: Ramsey Campbell出版社/メーカー: PS Publishing発売日: 2013/06/01メディア: ハードカバーこの…

日本クトゥルー神学の黎明

『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』にはH・P・ラヴクラフトとC・A・スミスの書簡に基づく、クトゥルー神話の神々の系図を掲載しました。青心社の『クトゥルー』シリーズにも掲載されていますが、従来訳では「悪鬼のヨガシュ」と書かれていたとこ…

イタカの「素因数分解」

では早速、イタカの設定をソース単位で素因数分解してみましょう。 〈風に乗りて歩むもの〉〈歩む死〉〈大いなる白き沈黙の神〉〈トーテムに徴とてなき神〉など多くの異名を持つイタカは、星間宇宙を吹く風を渡るというハスターに従属する大気の神である。 …

〈風に乗りて歩むもの〉

この記事は、ひとつ前のエントリの続きとなります。 さて、今更申し上げるまでもなく、「クトゥルー神話」という巨大な雲の如きデータベースを構成するワードの数々も、数多の作品中に含まれる断片的な情報がなんとなく関連づけられて、蜃気楼のようにもやっ…

アイギスを「素因数分解」する

では、この「アイギス」にまつわる設定のひとつひとつについて、ソース単位で分割してみましょう。 アイギスは、ギリシアの神々が用いた強力な武具である。 主神ゼウスのシンボルであり、様々な物語に「アイギス持つゼウス」という尊称が頻繁に現れる。 鍛冶…

アイギスについて

世界各地の神話全般について言えることですが、ギリシャ神話の物語について今日我々が知っていることは実に断片的で、ホメーロスの『イーリアス』や『オデュッセイアー』をはじめ、古代の詩人や著述家たちの手になる文献中に散らばる矛盾に満ちた記述を手が…

〈眠れる、やがて起きあがるもの〉

"The Resurrection of Nicholas Scratch(ニコラス・スクラッチの復活)"は、マーベル・コミックス社刊行の"Marvel Knights 4"誌の#25から#27にかけて掲載されたエピソードです。Fantastic Four作者: Roberto Aguirre-Sacasa,Mizuki Sakakibara出版社/メーカ…

マーベル・ユニバースの邪神

つい先日、シュマ=ゴラスが"Mighty Avengers #2"に登場したという話題がTwitter上で流れました。 シュマ=ゴラスは、マーベル・コミックス社(アメコミの老舗)の作品中に登場する、クトゥルー神話をモチーフとする邪神です。マーベル・ユニバース最強クラ…