映画は、映画館で観る

 大音響とか、でかいスクリーンでの鑑賞を前提で作られた作品だからとか、それだけが理由ではない。
 映画、それもハリウッド映画は、制作費に数億ドルが投入されたひとつの祭りである。映画館に足を運ぶということは、その祭りに加わるということであり、同時にまた造り手側の人間としては、客層や反応ポイントを観察するまたとないマーケット調査の機会ともなる。
 DVDが出てから観ればいい、そういった声も耳する。確かに、洋画のDVDは非常に安いが、ホームシアター環境があるならばともかくスクリーンに比べると見劣りするのは当然であり、実際のところ、DVDを買っても大抵の場合積んでしまい、頭から尻尾までじっくりと見ることはない人が多い。
 ならば、ポイント制(東宝シネコンの場合、6本観ると1本タダである。レイトショーで入場料を浮かすこともできる)の映画館に足繁く通って、じっくり観る方が、積みDVDをいたずらに増やすよりも何ぼか経済的なわけだ。*1
 さて、そんなこんなで昨日上映の始まった『トランスフォーマー/リベンジ』を観てきた。
 タイトルにもある「ザ・フォーレン」が「堕天使」の意味と聞き、「何とステキなご馳走!」とイロイロな意味で期待して観に行ってきたのだけれど、想像以上にキリスト教の要素が持ち込まれていて次回作に不安を感じる。
 そもそも、原作のスパイク・ウィトウィッキーの名前がサミュエル(預言者サムエル)に代わり、ヒロインがミカエラ(七人の御前の天使の筆頭格ミカエルの女性形)、仇役とも言うべき政府内秘密組織のエージェントがシモンズ(最初の異端者シモン・マグス)だったあたりで気にはなっていた。
 かてて加えて、リベンジの本筋はモロに七人の御前の天使と堕天使と来たもんだ。ちょっとマジメに検証してみる気になっている。

*1:無論、映画館、DVD、映画館と繰り返し観る都度、新しいことに気づく映画も多い。僕にとっては例えば、『ロード・オブ・ザ・リング』(この邦題を聞いたアン・ヘリング先生が「リングズ!」と強調されたのを覚えている)がそういう作品であり、先日もへろへろになる覚悟で三部作一挙上映に臨んだ。