『ジャイアニズム』のスチームパンク・シリーズ特集

 このたび、エンターブレインさんのムック『ジャイアニズム』Vol.4において、スチーム・シリーズ特集の構成からインタビュー・対談・座談会の司会進行、各記事制作まで、不肖・森瀬繚がお仕事させていただきました。

ジャイアニズム Vol.4 (エンターブレインムック)

ジャイアニズム Vol.4 (エンターブレインムック)

 スチームパンク・シリーズとは、PCゲームメーカーであるLiar-Softさん、そしてシナリオライター桜井光さんが展開されている人気シリーズです。2006年12月発売の『蒼天のセレナリア』をもって幕を開け、年末には第6作『黄雷のガクトゥーン』が発売される予定です。

 19世紀前半におけるカダスと呼ばれる異世界(実は別の惑星)の発見によって、異なる歴史を歩み始めた地球。カダスの技術と、地球の科学者の接触−−とりわけチャールズ・バベッジの大階差機関(蒸気コンピュータ)は蒸気機関の急速な発展を促し、20世紀の初頭にして両世界は高度な科学文明を手にしました。街路には蒸気ガーニーが行き交い、人々は携帯式の電信通信機(エンジン・フォン)で連絡を取り合い、各都市に置かれた大機関は市民に交付される機関カードを介して隅々まで行き渡ったサービスを提供します。
 しかしながら、蒸気機関革命から数十年を経ずして地球とカダス、両世界の青空は工場が吐き出す煤煙に閉ざされ、廃液は海を黒く汚し、やがて人々の記憶からは「蒼」という色がいつか消え去っていくのです−−と、そんな背景世界。

 Liar-Soft、そしてスチームパンク・シリーズの桜井光さんとは、『蒼天のセレナリア』の発売直後にmixiの方でお知り合いになりました。きっかけになったのは、こちらは『図解 クトゥルフ神話』、あちらは『蒼天のセレナリア』と、偶然にもほぼ同時に「ローラ・ネーデルマン」というコアな『クトゥルフの呼び声クトゥルフ神話TRPG)』ネタを引っ張り出したことだったと記憶します。

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

 近場に住んでいたこともあり以後は友達付き合いさせていただいておりまして、それこそ何年も前からスチパン・シリーズがらみで何かがっちりやりたいですね! というお話をしてきました。ようやく、ひとつ大きな宿題を片付けた心持です。今のところ、評判も上々の様子。


参考リンク:
「ジャイアニズム Vol.4」スチームパンクシリーズ特集(ニトロ有線式さん)


 なお、ご存知の方はご存知の通り、このシリーズの舞台のひとつであるカダスは、H・P・ラヴクラフトの「未知なるカダスを夢に求めて」に描かれるあのカダス−−と、似て非なる世界です。伝統的に、シリーズタイトルがクトゥルー神話系の語彙群から採られているのみならず、作中にもふんだんに神話要素が取り入れられております。が、今回の特集では殆ど触れておりません。そのあたりにつきましては、いずれ媒体を改めて、例えば『クトゥルー神話大鑑』(発売時期未定)でじっくりと−−。
 なお、桜井さんへの公式なインタビュー自体も、『漆黒のシャルノス』発売目前にあれこれとお話を伺った『シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ』に続く2回目となります。ご興味がありましたら、こちらの方も是非に。

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~