竹本泉とクトゥルー神話

 Twitter『シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ』の話題が出たので、mixiの日記にて時々紹介している「未紹介作品」ネタもはてな日記に流してみるかと思い立つ。
 あの本の企画は学生時代−−15年以上前からくすぶっていたもので、当初の企画名は『ベイカー・ストーリー・イレギュラーズ』。流石にわかりにくいということで、商業出版社向けの企画書に起こしなおした際につけた仮タイトルが、最終的なタイトルとなった。『このホームズがすごい』なんて呼ばれていたこともある。
 よもや、あの豪華メンバーで実現してしまうとは思わなかった。人の縁とはありがたいものだ。;-)

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~

 未紹介というわけではないのだけれど、『イレギュラーズ』に掲載したファミ通文庫の単行本『シャルロット・リーグ』ではイラストレーターが変わってしまっていた、吉岡平氏の『シャルロット・ホームズの冒険』のお話。
 シャーロック・ホームズの曾孫にあたるシャルロット・ホームズの冒険を描くコメディ短編で、角川書店ライトノベル雑誌『ザ・スニーカー』の1994年春号から数回掲載されたものの、残念ながら中断。その後、続編とも言うべきファミ通文庫『シャルロット・リーグ』(ただし、こちらはシリアス)の単行本に分割収録されるまで、長らく幻の作品となっていた。
 単行本のイラストは岸和田ロビン氏が担当しているが(これは本編イラストで、『シャルロット・ホームズの冒険』部分のイラストではない)、連載版では「あの」竹本泉氏が挿絵を描いていた。

 竹本作品には珍しいパンクで小生意気な主人公シャルロットのデザインは、『ガルフォース』のルフィをちらっと想起させる。
 この『シャルロット・ホームズの冒険』、第3話の「踊る人魚」がクトゥルー神話ネタだった。竹本泉氏によるインスマス面にダゴンという世にも珍しいイラストを拝むことができる、実にレアな作品となっている。