書籍方面まとめ

 既に公式サイトで発表された通り、スマッシュ文庫うちのメイドは不定形』のシリーズ化が決定したとの由。まずは善哉。
 とりあえず、2巻どころか3冊目、4冊目の簡易プロットまで編集部には送ってある上に、●●●が主人公の……とか伏字で書くと『グイン・サーガ』のあとがきを思い出してしまう。ヒヤヒヤ。


関連リンク:
不定形なあの娘(たち?)と、テンパリ気味のあの娘に、また逢える!」
http://phpcomic.blog65.fc2.com/blog-entry-50.html


 と、いうわけで、ここいらでこれまでにクトゥルー神話絡みで森瀬が手がけてきた刊行物をざっと並べてみる。

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

 公式サイトはこちら。2005年刊行。実は、『クトゥルー神話ダークナビゲーション』に相当する企画を新紀元社に持ち込んだところ、既に朱鷺田氏の『クトゥルフ神話ガイドブック』が動いていたトラップ発動。「新規シリーズのF-Filesの方でどう?」との編集部のありがたい申し出を受けてはみたものの、「はて、このテーマをどうやって図解化しよう」と試行錯誤の果てに生まれた、愉快なガイドブック。我ながら怪作。「初心者に最適!」「玄人オンリーだろ」と評価が真っ二つなあたりが実に森瀬の仕事らしいと自画自賛中。以来、そんな仕事ばかりやってます。
 なお、H・R・ギーガーを彷彿とさせる表紙イラストは、ボーステックの『レリクス』にてメインデザイナーを務められた瀧本和是氏に依頼。ボーステック並びにD4エンタープライズとは、ProjectEGGの立ち上げに携わって以来の御縁であったり。

クトゥルー神話ダークナビゲーション

クトゥルー神話ダークナビゲーション

 というわけで、企画の順番としては『図解 クトゥルフ神話』よりも古かったりするガイドブック。クトゥルー神話関連小説、コミック、ガイドブックなど書籍中心のカタログブックでもあるが、ページ数の都合で掲載しなかった本も多数あった。
 幻想文学界隈での各ガイドブックから、安田均氏の紹介に始まるゲーマー、ライトノベル読者−−とりあえずひっくるめて「オタク層」にとってのクトゥルー神話の文脈がごっそり抜けおちていることについてかねて抱いていた不満があったこと。そして、日経BPの『ライトノベル完全読本』に協力した折、「このフォーマットで、ライトな読者層のためのクトゥルー神話の流れをまとめてみよう」と思い立ったのがそもそものきっかけ。
 以前にも書いたように挑戦的な表紙は「うるさがた」よけのネズミ返しで、確信犯的に「ラノベ読者、美少女ゲーマー層」だけを狙った日本国内クトゥルー神話第3世代向けのナビゲーションブック。3年早すぎたなとは思う。カタログ部分については、Twitterで予告したように『クトゥルー神話年鑑』として「完全版」をできれば年内にお届け予定。

タイタス・クロウの帰還―タイタス・クロウ・サーガ (創元推理文庫)

タイタス・クロウの帰還―タイタス・クロウ・サーガ (創元推理文庫)

 ブライアン・ラムレイ大先生の「小官の考えたスーパーかっこいい探索者!」であるところのタイタス・クロウが宇宙狭しと大活躍する長編シリーズの2冊目にあたる。光線とか出して大変なことに。
 たいそう怪しげな巻末解説を提供。某所で超解説とか言われていた由。まことにありがとうございます。(?)

萌え萌えクトゥルー神話事典

萌え萌えクトゥルー神話事典

 皆まで言うまい。制作の経緯についてはブログ上で既に書いている。
 が、この時点で既にあれこれ仕込みがごにょごにょ。

クトゥルフの呼び声 (クラシックCOMIC)

クトゥルフの呼び声 (クラシックCOMIC)

 H・P・ラヴクラフトクトゥルーの呼び声」のコミカライズという野心作。クトゥルー神話というよりも、H・P・ラヴクラフトとその「宇宙的恐怖」にまつわる解説を50ページほど書かせていただいた。いや、「解説をお願いしたいのです」と依頼が来たときは、てっきり巻末解説だと。(xx
 なお、「クトゥルフ」表記はゲーム文化のものなので、創元推理文庫から入った自分にはちょっと違和感が……と仰る方を時折みかけることがある。東京創元社ラヴクラフト全集2(旧・ラヴクラフト傑作集2)』収録のものは「クトゥルフの呼び声」なので為念。3巻以降の大瀧さんの翻訳では「クルウルウ」。
 なお、森瀬は「クトゥルー派」です。何故かというと、海外のWEBサイトなどで配布されている音声ファイルや動画ファイルなどを渉猟した限りでは、「基本、あっちの人「フ」なんて語尾につけてないじゃん」というまことにシンプルな理由。なお、赤虫療養所の中の人によれば、ドイツ人ゲーマーに「クトゥルフ」と言っても通用せず、「クトゥルー」でわかったとか。さもありなん。


資料1:
Lovecraft on Mastermind(YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=hi8OaGJUa6U


資料2:
Cthulhu LegoYouTube
http://www.youtube.com/watch?v=e6Z6XQSaZ9E