解説修正2点3点

狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)

狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)

インスマウスの影 (クラッシックCOMIC)

インスマウスの影 (クラッシックCOMIC)

 昨年11月に刊行された『クトゥルフの呼び声』(PHP研究所)に引き続き、H・P・ラヴクラフトが1931年に手掛けた「狂気の山脈にて」「インスマスを覆う影」のコミカライズの解説をそれぞれ書かせていただきました。
クトゥルフの呼び声』の解説を書いた時点でシリーズ化するとは夢にも思っておりませんでした。こうしたコミック本には珍しく、秋葉原や大型書店などに集中せず、むしろ中小の地方書店を中心に売れに売れたため(第7刷あたりまで行ったと思います)、シリーズ化の運びとなったということです。今回もアキバBlogさんに御紹介いただきましたようで、つくづく足向けして眠れないというものです。

参考リンク:
SAN値が下がるクトゥルフ神話コミックス 「狂気の山脈」「インスマウスの影」(アキバBlog)
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51072704.html

 本書の御意見御感想などについては、是非とも忌憚ない御意見をPHP研究所コミック出版部までお寄せください。WEB上で色々と御感想を書いていただけるのは大変ありがたいことですが、直接御連絡いただけませんと伝わらない場合が多々ございます。(例えば『狂気の山脈』『インスマウスの影』という書名は出版社側の決定なので、森瀬に御意見をお寄せいただきましても何も言えません)

PHP研究所お問合わせ先:
http://www.php.co.jp/staff/info.php

 ラヴクラフト自身の人となりや作風などの総合的な解説については概ねあちらで書いてしまったので、単体の作品で30ページも何を書けばいいものかと当初は頭を悩ませました。が、蓋を開けてみれば例によってページが全然足りないアリサマ。『狂気の山脈』では3ページしか書けなかった「南極探検の時代」は、本来は地図なども用いて12ページほど使いたかったところでした。
ナチスドイツの南極探検」「ニューイングランド地方の大海蛇伝説」など、一部盛り込めなかったネタについては、コミックマーケットで頒布した森瀬のサークル機関誌『夏冬至点』2010年夏号にコラムとして掲載しております。
 さて。今回、校正段階で修正が間に合わなかった誤りが幾つかありましたので、こちらに掲げておきます。(増刷時に修正予定)

『狂気の山脈』
33ページ7行目〜5行目
「狂気の山脈にて」について「長いからといって、簡単に分割できるというものではない」という話を書いておりますが、ラヴクラフトはこの作品を前編・後篇に分割できるようあらかじめ構成していました。


インスマウスの影』
43ページ11行目
「大西尹明訳の第一巻のみ「クトゥルフ」」とありますが、宇野利泰訳の第二巻が抜けていました。

104ページ11行目(9月9日追記)
マサチューセッツ州東部」とありますが、これは西部の誤りです。