『南極文書』再編集小冊子配布決定!

 H・P・ラヴクラフトの命日合わせで、この3月15日(金)に阿佐ヶ谷ロフトにてトークイベント「邪神忌」が開催されます。

阿佐ヶ谷ロフトA 「邪神忌」予約ページ

 出演は僕こと森瀬繚と、ライター&ゲームデザイナーの朱鷺田祐介氏といういつものコンビ。これに加えて、かねてH・P・ラヴクラフトへの傾倒を暗に示唆されている新城カズマ氏、そして『未完少女ラヴクラフト』(スマッシュ文庫)においてロバート・ブロック風の幻想悪夢譚を紡いでみせた黒史郎氏をゲストにお招きしております。

tokyo404

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未完少女ラヴクラフト (スマッシュ文庫)

未完少女ラヴクラフト (スマッシュ文庫)

 さて、新城カズマ氏と言いますと森瀬的にはネットゲーム90「蓬莱学園の冒険!」のグランドマスター柳川房彦氏であるわけですが、この度、イベント参加者向けの配布物として同ゲームの初期断片としてプレイヤーに配布された「南極文書」の再編集小冊子(A5版12P)をご用意しました。無論、権利者許諾済! この場を借りて、関係者の皆様に深く感謝いたします。

 新城カズマ氏、あるいは柳川房彦氏が2013年3月現在手掛けた唯一のクトゥルー神話小説とも言うべき貴重な資料。日本語訳は『90年度宇津帆島全誌』『蓬莱学園の復刻!』に掲載されておりますが、英語原文は収録されておりません。
 この『南極文書』は、1930年に行われた蓬莱大学(後の蓬莱学園研究部)南太平洋考古学研究部、ミスカトニック大学地質学部合同の南極探検隊の唯一の生存者が書いた手記を、研究部のH・P・ラヴクラフト教授が編纂・編集した体裁の短めの小説です。
 HPL「狂気の山脈にて」、ポー「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」、ヴェルヌ「氷のスフィンクス」の影響を色濃く受けた怪奇幻想掌編でありつつ、ゲームの大きなヒントでもありました。(例の暗号はそのまま残してあります、もちろん)
 ちなみに、時期的に「狂気の山脈にて」で描かれるミスカトニック大学の南極探検隊に先行しているので、『図解 クトゥルフ神話』などの拙著では先行の探検隊という形で拾っていたりします。参考文献にちゃんと『全誌』を入れた、はず。

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)

 ご興味のあります方は、是非とも「邪神忌」にご来場を。