『中つ国サーガ読本』修正事項
P259の2段目末、3段目末で「カラクウェンディ」と「モリクウェンディ」が逆になっています。
小事典ではちゃんと合ってるので、おそらく文字数調整中の自原稿内コピペミスかと思われます。
『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』エラッタ
拙著『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』(SBクリエイティブ)の増刷に合わせ、大きめの修正事項(細かいてにをはミスではなく、情報としての誤謬)をエラッタとして公表します。
- P023下3行目:誤「クトゥルー神話大全」、正「クトゥルー神話全書」
- P027上7行目:誤「旧界」、正「旧神」
- P043上9行目:誤「索求者」、正「探求者」
- P054下9行目:誤「墳墓の怪」、正「墳丘の怪」
- P057上2行目:誤「ルルイエ文章」、正「ルルイエ文書」
- P068上8行目:誤「ラヴクラフトが代作した」、正「ラヴクラフト「闇に囁くもの」(1930年)、続いて彼が代作した」
- P123上9行目:誤「流基葡鱗【るきぶりん】」、正「流基葡鱗【るもとぶりん】」
- P128上9行目:誤「西インド」、正「東インド」
- P195下3行目:誤「ヨグ=ソトースの影」、正「ユゴスからの侵略」
- P245上7行目:誤「流基葡鱗【るきぶりん】」、正「流基葡鱗【るもとぶりん】」
- P245上13行目:誤「寿渡似【おとに】」、正「寿渡似【すとに】」
ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
電話口での口頭修正の伝達ミス(流基のルビ)や、肉筆の赤入れの字が読みづらかったりと(「旧界」の誤字や寿渡似のルビ)、原因はまあ色々であります。購入者の皆様には、謹んでお詫び申し上げます。
2015年3月21日追記:
今月、SBクリエイティブ様より出荷されました第3刷にて、『クトゥルーの子供たち』『風神の邪教』など、『ゲークト』執筆時に未刊行だった作品邦題の更新などを行いました。
旧版との差分
以下、旧版を既にお持ちの方向けに、具体的な差分を中心に内容を紹介させていただきます。
いちばん詳しい「天使」がわかる事典 (「いちばん詳しい事典」シリーズ)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
旧『「天使」がわかる』『「堕天使」がわかる』(ソフトバンク文庫)を再編集し、同時に増補改訂したものです。
堕天使本を出した段階ではシリーズが続くことを想定していなかったこともあり、天使本は堕天使本に含まれる一部項目の追加差分も兼ねておりました。今回、改めて「天使」「堕天使(悪魔)」に項目を分けた上で、新規項目の追加を行っています。
『いちばん詳しい「天使」がわかる事典』の増補改訂内容は次の通りです。
- 旧版の「ルシフェル」はラテン語読み準拠の「ルキフェル」、『光輝の書(ゾハール)』は『光輝の書(ゾーハル)』、また「神」の語につけていた「ヤハウェ」のルビを一部例外を除いて取り外すなど、用語周りの調整。
- 『「天使」がわかる』から堕天使関連項目をオミット。堕天使そのものについて解説する「堕天使・悪天使」の項目を新たに追加し、『いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典』とは異なる内容の「ルキフェル」項目を追加。また、「アイオーンとアルコーン」の項目は分割せず、アルコーンについても本書で扱う。
- 『「堕天使」がわかる』で扱っていた「サリエル」について、改めて一次資料を再検証の上、こちらで新規に書き起こし。
- 新規項目「天国/煉獄/地獄/ライラ(『はたらく魔王さ……もといユダヤ伝説)/エレレート(グノーシス文献)/マンダ・ダイエー/プタヒル/ウルとルーハー(以上3項目マンダ教)/ナハシュバト、光のアダマス(以上2項目マニ教)/マラク・ターウース(ヤズィーディー)/モロナイ(末日聖徒イエス・キリスト教会)/コロンゾン(エノク魔術)/スピリチュアリティの天使」を追加。
- 新規資料の導入による全体的な情報のアップデート。
- コラム「キリスト教圏の死神」を追加。
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典 (「いちばん詳しい事典」シリーズ)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
『いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典』の増補改訂内容は次の通りです。
- 『「堕天使」がわかる』に、『「天使」がわかる』の堕天使関連項目を移動、マージ。
- 旧「マモン」項目については、エリザベス朝時代の英文学におけるマモンの情報を反映させるため、ほぼ書き直し。
- 新規項目「ライトボーン/ルキフグス/サタナキア/アガリアレプト/サルガタナス/ブズラエル/デモゴルゴン」を追加。
- 魔術書『ソロモンの小さき鍵』に基づくソロモン王七二柱の魔神(第二章)については、9割方書き直し。
- 新規資料の導入による全体的な情報のアップデート。
- ソロモン王由来の魔術書の原点とも言える旧約偽典『ソロモンの誓約』に登場する堕天使/悪魔たちをコラム(三分割)の形で紹介。
- ローマ・カトリックの悪魔祓いについて、コラム「エクソシズム」で紹介。
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典 (「いちばん詳しい事典」シリーズ)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典 (「いちばん詳しい事典」シリーズ)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
『いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典』『いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典』については、旧版との項目的な変動はありません。もちろん、全体的な加筆を行っておりまして、旧版ではちょろっとしか触れられなかったゲイ・ボルグやレーヴァテインがらみなど、取りこぼしていた情報を可能な限り突っ込みました。中にはほぼ全部書き直した項目もあります(ケルト神話本の「ラーンスロット」項目、『オシァン作品集』にまつわるコラムなど)
実際のところ、中近世のキリスト教圏の文学(詩、散文)なり演劇なり美術なりを眺め渡すと、天使・悪魔のみならず運命の女神だの死神だのといった「神々」がひしめく、「一神教」のイメージから離れた汎神話的世界が広がっておりまして、有名どころではダンテ・アリギエーリの『神曲』、ジョン・ミルトンの『失楽園』など、グレコ・ローマンの神々なり英雄なりをうまいことキリスト教宇宙観の中に配置しようとする試みが繰り返されてきました。『侵略の書』がアイルランドの神話、『ゲスタ・ダノールム』が北欧の神話でそうしたように。
その一端について、天使事典ではコラム「キリスト教圏の死神」、堕天使事典では「デモゴルゴン」項目で多少触れてはおりますが、まだまだ書いていないことがたくさんあります。このあたりについても、いずれ何かしらの形でまとめてご紹介してたいですね。
「あれ、クトゥルー神話はないの?」
「『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』の2刷が2月中に出回りますので、そちらをどうぞ」
ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
新刊4冊のご案内
2月18日、SBクリエイティブさん(旧・ソフトバンククリエイティブ)から出していた天使、堕天使、北欧神話、ケルト神話の解説本の増補改訂版が、『いちばん詳しい「●●」がわかる事典』シリーズとして同時4冊刊行されることになりました。
このシリーズ、昨年11月末に突然、営業サイドの意向で立ち上がることになりまして、先方としてはおそらく判型を変えて気軽に再販くらいの話でご提示いただいたようですが、この機会を逃さじと大量アップデートをかけた次第です。
刊行月が2月と決定済みでしたので、編集部からは「12月中に差分原稿をいただけるなら」という条件が提示されておりました。さもないと、森瀬のことだから全部書き直そうとするに違いないという編集サイドの判断は正しいC=(-,,,- )。何しろ、電子版が発売された時に、時間的都合から全く手を入れさせてもらえませんでしたので、かなりのフラストレーションが溜まっていたのであります。
「電子書籍の時代になると、本の内容改訂が容易になる」というのは嘘でしたね! 現行のフォーマットでは結局、DTPデザイナーによる修正作業及び販売サイトでのデータ差し替えで工数が発生するのですが、これが結構でっかい金額で−−テキストだけちょろっと入れ替え、というわけにはいかんのです。
と、いった愚痴はさておきまして、ようやく宿題がひとつ片付いた感じです。
他の仕事を抱えていたこともありましたので、資料(無論、日本語ではないものが大半です)の洗い出しに際しては友人知人のライターさんたちの協力も仰ぎました。この場を借りて、立花圭一氏(天使、堕天使)、隼瀬茅渟氏(堕天使)、古河切夏氏(北欧神話)、小森瑞枝氏(ケルト神話)に深く感謝致します。
ええ、そりゃもう凄い勢いで増補して改訂しました。旧版では参照できなかった一次文献を再調査し、全面的にアップデートしております。判型が一回り大きくなった分、一ページあたりの文字数も増えましたので、可能な限り追加情報を突っ込みました。結果、新規に書きおろした項目のページ数だけで1冊分を超える分量があります。旧版をお持ちの方にこそお読みいただきたいところです。
この4冊がうまいこと回転してくれて、『いちばん詳しい「●●」がわかる事典』シリーズが続刊ということになりますと、既に企画を提示している「ギリシャ・ローマ神話」「アーサー王物語」「日本神話」「ドラゴン」などを動かすことができるようになります。お一人様につき一冊と言わず二冊でも三冊でも是非にどうぞ。(真剣な目で)
もしも、邪神と大魔術師がガチで戦ったら
こうなる、という良い見本。
マーベルの"Strange Tales"(第二期)の#14(1988年)にて、直前に戦った敵の力を吸収してスーパーサイヤ人じみた外見変化を起こしたドクター・ストレンジと、地球の命運を賭けて凄絶なバトルを繰り広げるシュマ=ゴラス。
その激しい戦いは地球上からも空を走り抜ける火柱などの形で観測され、全人類のSAN値が直滑降状態というごらんの有様ですよ。
なお、先日のエントリで紹介した"Fantastic Four"#314(1988年)の画像は、まさにこの戦いの最中のものです。してみると、シュマ=ゴラスの復活戦は、他の作品にも飛び火した、大きな−−といかぬまでも、中規模のイベントだったわけです。
それにしても、緑になったり紫になったり、シュマ=ゴラスも大変だ。
ドクター・ストレンジものをはじめとするマーベル、DC、その他各社のクトゥルー・アメコミの奔放な設定、描写、アクションの数々に2013年頭の時点での森瀬のクトゥルー神話世界観は根幹を揺るがされておりまして、ようやく再構築が終わりつつあるところであったりします。
ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
もひとつオマケに、"Journey Into Mystery"誌(2012年の号)にて、悪魔たちの世界でふよふよ浮いているシュマ=ゴラスのちょっとかわいらしい姿。
ちなみに、"Journey Into Mystery"誌はマイティ・ソーの初出でもあるマーベルの古くからの雑誌ですが、創刊当初はホラー・コミックでした。コミックコードが緩和された1970年代の一時期にホラー・コミックとしてリニューアルされ、H・P・ラヴクラフト、ロバート・ブロックによるロバート・ブレイク三部作のコミカライズが掲載されたことがあります。
- 作者: Rob Rodi,Kieron Gillen,Pasqual Ferry,Rich Elson,Whilce Portacio
- 出版社/メーカー: Marvel
- 発売日: 2012/03/28
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る
H・P・ラヴクラフトの元ネタ探し
Twitterでの過去の発言などを再利用しつつ、本日も更新してみます。
「霧の高みの不思議な家」「未知なるカダスを夢に求めて」などのラヴクラフト作品に、その威厳に満ちた姿を現している〈大いなる深淵の王〉ノーデンス。
古代イギリスで崇拝された癒しの神−−というよりも、イギリスにまで殖民していたローマ人によって崇拝された、アイルランド神話のヌアザのローマ神名というのが正確でしょう。
ラヴクラフトによって〈古きもの Elder One〉との関連性が示唆され、フランシス・T・レイニーによりダーレスの言う〈旧神 Elder One、Elder God〉に組み込まれたこの神を、ラヴクラフトはどこから引っ張ってきたのでしょうか。
よく言われているのは、アーサー・マッケンの「パンの大神」からの影響です。この作品で、ギリシャ神話の牧羊神パンの名で呼ばれる異質な精神的存在の別名が、ノーデンスとされていました。
しかし、マッケン描くノーデンスは、ラヴクラフト作品に見られる、海豚の引く巨大な貝殻の戦車に乗り、神々を従えた老人の姿とは似ても似つかないものです。
色々と調べていくうちに、ジェラルド・マッシーという詩人兼エジプト研究者(エジプトロジスト)の著作に辿り着きました。マッシーはまた、「ドルイド古代教団」なるカルトの主宰だったなどと噂される怪人物です。
彼は聖書の物語とエジプト神話の類似性、特にイエス・キリストとホルス神の相似について着目し、"The Book of Beggining(始原の書)"を1881年に刊行しています。
実際の話、古代のエジプトは、キリスト教の重要地でした。
エジプトのアレクサンドリアは初期キリスト教の拠点の一つであり、7世紀に陥落してアラブ世界に組み込まれるまで、総主教座が置かれていました。また、聖母マリアが幼いイエスを抱く「聖母子像」のテーマは、キリスト教以前、エジプトにおいてホルス(ハルポクラテス)を抱イシスの像から影響を受けたと言われています。
2009年の「海のエジプト展」でも、イシス−ホルスの母子像が多数展示されていました。マリアとイエスの聖母子像が現れるのはアレクサンドリアにあったこうした像が、ローマ・キリスト世界で模倣されたのではないかという説が、有力視されています。
さて。"The Book of Beggining"の第8章のタイトルは"EGYPTIAN DEITIES IN THE BRITISH ISLES(イギリス諸島におけるエジプトの神々)"。物凄くかいつまむと、イギリスのドルイド信仰の源流は古代エジプトにあるのだ、という文章です。
今のところソースはありませんが(というかちゃんと調べていない、宿題のひとつ)、ラヴクラフトあるいはブロックの元ネタ本のひとつだったのではないかと疑っています。まずは、マッシーの名前について言及した書簡を探すところからですね。
"A BOOK OF BEGININGS"がラヴクラフトのネタ本であろうという根拠のひとつは、その第8章におけるノーデンスの記述。そこに、英グロスタシャーのリドニーで発掘された「深淵の神」ノーデンスの神殿についての記述があるのです。
リドニーは、ラムジー・キャンベル作品に縁の深いグロスターシャーにある町です。
ノーデンス神殿は現地では「小人の教会」と呼ばれていて、1805年に発掘が始まり、呪いのタブレットや神像などが見つかりました。"A Book of〜"には、海神たちを従え、4頭の馬に引かせた戦車に乗ったノーデンスの姿を彫り込んだプレートの挿絵が記載されていたようです。
大きな地図で見る
リドニーのノーデンス神殿(最大に拡大してください)
この本にはまた、遺跡から発掘されたラテン語の銘文も載っています。そこには、'God of the abyss(深淵の神)'というノーデンスの尊称が含まれていました。
ラヴクラフトがこの本を読んでいた可能性は、非常に高いと思われます。
ちなみに、どうしてキングスポートにノーデンスの地上での棲家があるのかという話については、僕なりの仮説があります。『萌え絵で巡る! クトゥルー世界の歩き方』『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』で紹介しましたので、そちらを御覧いただければと。
- 作者: クトゥルー神話事典制作委員会,森瀬繚
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2011/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 6人 クリック: 110回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)
- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る
「関連作品・書籍を読む優先順位」についてのスタンス
クトゥルー神話の解説書・研究書を読む以前に、まずH・P・ラヴクラフトの作品(東京創元社『ラヴクラフト全集』など)を全部読むところから始めるべきでは、とのご意見を見かけました。
このあたりについての森瀬のスタンスは、以前、はてな日記に書いています。
質問6:クトゥルフ神話を楽しむことができるのはどんな人?
「どのような人が」−−となりますと、なかなか難しいですね。それこそもう、好みの問題でしかないので。
ホラー好きでもクトゥルー神話は肌に合わないという人がおりますし、そもそも〈クトゥルー神話〉と総称されている物語自体が実に多彩な広がりを見せています。
既に申し上げた通り、何しろ数百の関連作品が存在していますので、自分の肌に合ったものを見つけることができれば良いのじゃないかと思います。
朝日ソノラマ社から刊行されていたSF・特撮情報雑誌『宇宙船』の1985年4月号に、「クトゥルフ神話入門講座」というものが掲載されています。
執筆者はクトゥルー神話ファンとして知られる菊地秀行氏で、このようなことを仰っています。
「入口なんて何だっていいのだ。「エイリアン」やH・R・ギーガーの画集"ネクロノミコン"だっていっこうにさしつかえはない。また、どこかの雑誌の恐怖小説特集に再録されていたヘーゼル・ヒールド(ラブクラフトの弟子のひとり)の短編だっていい。たしかに、その作品そのものの質にも関わってくるが、肝心なのは、入ってからどれだけその世界にのめり込めるか、そしてどれだけ世界を共有できるか、である。」
どこかしら、クトゥルー神話にちょっとでも絡んだ作品に遭遇して、クトゥルーや『ネクロノミコン』といったワードに興味を抱くことができたなら、そこから入ってきてくれると嬉しいな、という感じです。
−−「2012-05-25 R25さんの質問に対する回答内容」より抜粋
長いこと、「クトゥルーのク」「ネクロノミコンのネ」に少しでも掠る小説・コミック・映像作品・ゲームを渉猟してきました。その数は、日本国内で商業刊行されたものだけで優に600作品(シリーズ単位)を超えています。ラヴクラフトについてはS・T・ヨシの詳注つきペーパーバックはもちろん、アマチュア誌の方はちょっとムリですけれど"Weird Tales"はじめ初出誌にも手を出し始めました。
昨年末からは、関連作品の載っているアメリカのホラー・コミックス(古いものは1950年代)にも進出しています。
その上で、物凄く乱暴かつ老害丸出しの本音を申しますと−−クトゥルー神話好きならばなるべく読んでいて欲しいものではありますけれど、H・P・ラヴクラフト作品を読んでいようがいまいが、全体数から見れば大した違いはありませんですよ。(・,,,・ )