クトゥルー神話の予習テキスト

 出題範囲などについて解説されるらしい『クトゥルフ神話検定 公式テキスト』が、8月24日に新紀元社から発売されるようですが、この機会にみっちりと勉強しておきたいという方は、『クトゥルー神話全書』『H・P・ラヴクラフト大事典』『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』の3冊を教材としてお勧めします。

クトゥルー神話全書 (キイ・ライブラリー)

クトゥルー神話全書 (キイ・ライブラリー)

H・P・ラヴクラフト大事典

H・P・ラヴクラフト大事典

 少なくとも、この3冊を隅々まで精読しておけば、検定に限らずH・P・ラヴクラフトクトゥルー神話について、ひととおりの知識は手に入ることと思います。
 中でも、6月末に発売されました『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』は、『図解 クトゥルフ神話』の頃から、基本的にはクトゥルー神話の「世界観」をいかに面白く紹介するかを最優先し、基本的に「解説書」というよりも一続きの物語、内部視点のガイドブックとして本を作って来た森瀬が、その180度逆を目指した渾身の一冊。自分的には、「プロ仕様の設定解体書」のつもりです。『クトゥルフ神話TRPG』の関連商品ではありません。あくまでも、創作者向けのアンチョコ本『ゲームシナリオのための○○事典』シリーズの一冊ですので、くれぐれもご注意ください!
 内容的には、特定存在の初出と、主要登場作品ごとの個別設定を時に時系列、時に内容別に並べていき、クトゥルー神話という巨大なデータベースがいかにして形成されてきたかを把握することができる内容になっております。無論、しつこいぐらいに出典作品名を明示しておりますので、今回は逆引き事典としての利用も可能です。「もうちょっと詳しく知りたい」と思ったらすぐに元作品にあたることが出来ます。
 第一章は、以前配布された『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話物語ミニ事典』の増補改訂的な内容で、神話存在別、事項別の事典的解説は第二章以降ですが、今回、構成をかなり工夫しておりまして、例えば兄弟神であるニョグタとシアエガをこんな具合に取り上げています。

 また、第2章〜第4章末には、ラヴクラフト作成、スミス作成、そしてリン・カーターの作品群から森瀬が独自作成した「神々の系図」を掲載しております。
 無論、これらの事典・解説書のみならず、この機会に『ラヴクラフト全集』(東京創元社)、『クトゥルー』(青心社)、『新編 真ク・リトル・リトル神話大系』などに収められている第一世代、第二世代作家たちの作品についても、是非とも接していただければ嬉しいです。

 さて。受験するのは当然として、立場上、満点が取れないとさすがにカッコつかないなあと思っていた森瀬ですが、大変都合が良いことに色々ありまして受験資格を喪失することになりました。このほど、朱鷺田氏の方から正式に依頼があり、出題周りのちょっとした部分についてお手伝いさせていただくことになった次第です。
 受験生の皆さま、改めましてよろしくお願い申し上げます。